2015年4月19日日曜日

ケース 人としての成長に向けて⑦


 このことは、鬱から抜け出した後に始めた援助者としての訓練のなかで体験した大きな恵みの瞬間であった。その時、彼女は初めて自分自身の傲慢さを知り、謙虚さに立つということの意味を実感した。

 またその時、キリスト教で昔からいわれている「7つの大罪」の意味を知り「自己満足(自分のニーズの充足)」に生きるという「自分中心の世界」を離れていくことの意味を実感した。そして、自助グループにも通うようになった。

 このことを意識世界の側面から眺めると、K女史の回心におけるこの体験は、「生存本能(survival)」「神経反応(passion)」「エゴ/マインド(ego/mind)」という意識世界からその先に連なる意識世界の広がりの中に入っていく大きなきっかけとなった出来事といえよう。


 また、自分が神であるかのような傲慢さと支配欲でもって生きることを止めて、自分を超える偉大な存在と彼女自身の位置関係をとらえ直すということが、同時にかつ瞬間的におきたことは、彼女が体験した一つの奇跡であり「恵み」であるといえよう。それまでのように知識にふれて学び取ったことではなく、すべてのことは思いがけず「与えられたこと」であった。(完)