2015年4月10日金曜日

私の覚書 「物語」の味付け(その4)


一連の物語が終わるにつれて情動が豊かに感じられるようになる。
その情動と体の感じがよりつかめるようになってくると、バランスの良い選択も出来るようになる。このことは、アントニオ・ダマシオのソマティック・マーカー仮説と一致している。この脳科学の知見とボディナミックスの発見が見事に一致しているところである。

これまでどのように生きてきてどのような物語をつむいできたのか。また、これからどのような物語の中で生きていきたいのか、その見通しも持てるようになる。そして、そのときにはもうセラピー・セッション(面談)は終わっている。

目の前にあった問題の苦しみは終わった、そして、これからの生活の見通しも立った。でも健康的で幸せな生き方の軌道に立ち戻ったにすぎない。これからどう生きるか、チャレンジはこの世を去って行くまで続くのである。


今現在の問題が、良い生き方へとつながるきっかけとなれば、それはとても素晴らしいことである。