2015年4月9日木曜日

私の覚書 「物語」の味付け(その2)


なんらかの「行き詰まり」が訪れてきたときに、人は初めて「物語」を意識し始める。目の前の出来事をきっかけとして、それまでに体験した出来事にも目を向けるようになる。それらの出来事あるいは物語には、同じような香りと味付けが漂っている。

まだ終わっていない話(未処理の出来事)であれば、丁寧に向き合ったのちに手放していきたい。援助者は、それらの終わっていない話を一つずつ取り上げて終わらせて行く手伝いをする。話には情動がともなっているので、泣いたりわめいたりもする。それはとても自然なことである。

本人にとってはなるべく触れないでおきたいことであり、恥ずかしいことだと思っていることでもある。クライエント本人の意志を尊重し、許可を得ながら共同作業を進めていく。

(援助者サイドの問題:どのような人に対してでも敬意を払って相対することができないのであれば、援助者自身の物語のプロセス(取り組み)をまずすることが先決問題である。

援助者は、自分自身が通ってきたところまでしか他者の援助は出来ない。逆に言うと、援助者本人が問題を体験し通ってきて成長をしたところまでは他者の援助が可能である。


クライエントに対する反応に援助者自身が呑み込まれたり、辛い話を聴いてその度毎に辛くてたまらなくなるのであれば、援助者はスーバーヴィジョンを受けて、まず自分の取り組みをすることが肝心である。)