アディクション(依存症)になりやすい性格構造
それは、自律の性格構造と呼ばれている。乳幼児の発達においては、8ヶ月~2歳半までの時期のことである。
ボディナミックスでは、セラピーの道具の一つとして性格構造を活用する。その中でアディクションとの関係が深い性格があることが知られている。
ボディナミック性格構造とは、600名の子どもたちの追跡調査結果をまとめたものである。健康的でバランスの取れた性格・前期の性格・後期の性格とに分けて分類している。
それぞれの時期の前期あるいは後期において、乳幼児にとって何らかのショッキングなことがあると、性格の偏り(防衛)が生じる。
さて、自律の時期(8ヶ月~2歳半)の発達テーマは、「好奇心や衝動を持つこと」である。前期 / 後期の特色をまとめると次のようなことが上げられる。
(前期の傾向)
助けてもらう、ということが分からない
何か上手くいかないと、自分が悪いと思いがちである.
居心地の悪いことがあると、行動で逃げ始める.
衝動は強いが、それが何なのかの認識が持てず言葉にもできない.
批判に弱い.
他者のコントロールを敏感に感じ取るので人に操作されない.
人に賛同されないと意欲・衝動・エネルギーを失いやすい.
空っぽ、何もないぽかんとした状態に入ることがある.
無気力で外からの刺激がないと反応しない.外からの衝動に合わせることで、衝突や拒否を避けている.
いつも逃げ道を準備しており、深く関わらない.(コミットすると自らの情動に発する衝動を失ってしまうので)
他の人の衝動にすぐ気づくので、人が何をしたいのかはよく分かる.
「助けてください」と言うと、やらなければいけないことが増えるような気がして、なんだか面倒だ.人の手助けはとても上手である.
(後期の傾向)
人に助けてもらう自分には価値がない.自分には助けはいらない.
他人のコントロールに敏感で、いつも主導権を握って行動していないと自己価値がないと感じる.
居心地の悪いことがあると、言葉で逃げる.
多くの衝動を持ち、いつもおしゃべりをしている.チャーミングで一緒に居て楽しい人.
失敗しても絶対にめげない.
「そうですね」と同意したら自分がなくなる感じがする.
自分の問題を否認する達人である(自分自身の弱さをあからさまにすることに耐えられないので).
いつも活動的で動き回り、何事でも率先してやる.(そのように忙しくしていることで嫌な思いなどを感じないようにしている).
常に頭が忙しく動いている.
目の前に見えないものは頭からなくなり、恩を忘れややすい.
人とつながると自分を失う恐れを持つため、コミットメント(関わり合うこと)/約束事(友情・結婚・住居・役職・恋愛など)ができない.
自分に自信が持てない.
あらゆる状況をコントロールしたい.
親密な関係に入る場合には、「私がいないとあなたは生きていけない」ようにコントロールする.
なお、自己チェックしてこれらのことが該当しない人は、この時期の発達に関して、健康的でバランスの取れた性格構造の持ち主である。
前期は衝動が持てなくて心地悪いし、後期は衝動を抑え込んでいて心地悪い状態である。このような状態とアディクションとは関係が生じやすい。なぜならばアディクションとは心地悪いので「心地よさ」へと逃げている状態であるからである。
【注意】ボディナミックスCharacter structures(性格構造)について詳しく知りたい方は、HPの[参考文献・資料]を参照してください。このブログでは、私個人が理解していること・語りたいことを書いています。ご了解ください。